Ain't Got Nothin'
Ain't Got Nothin' / Oasis - エイント・ゴット・ナッシン / オアシス (2008年) の歌詞日本語訳です。
楽曲の解説
"Ain't Got Nothin'" は、Oasis の2008年のアルバム Dig Out Your Soul に収録された楽曲で、リアム・ギャラガーによって書かれ、リードボーカルも彼が担当しています。アルバムの中でも特にパンクやガレージロックの影響が強く、シンプルで攻撃的なロックンロールが特徴です。曲全体を通して、反体制的で挑発的なメッセージが貫かれています。タイトルは「何も持っていない」あるいは「(奴らは)何も持っていない」という意味であり、世間や批評家、あるいは敵対する人々が、自分たち(バンドや話者)に対して何の力も影響力も持っていないという強い独立宣言をしています。
語り手である「俺」は、世間や過去の敵対者たちに対して、完全に見切りをつけた状態です。「奴らは俺たちをどうすることもできないし、俺は奴らが何を言おうと気にしない。俺が欲しいのは真実だけだ」と断言しています。コーラスの「Out on bail to unveil」(保釈されて真実を暴く)というフレーズは、窮地から脱出し、真実を掲げて世間に宣戦布告するという、リアムらしい反骨精神と勝利宣言を象徴しています。
歌詞と和訳
[Verse]
They got nothing on me anymoreThey got nothing on you
I don't care what they say anymore
All I want is the truth
奴らはもう、俺に対して何の弱みも握っちゃいない
奴らはもう、お前に対して何の弱みも握っちゃいない
奴らが何を言おうと、もう気になんかねぇ
俺が欲しいのはただ真実だけだ
[Chorus]
Out on bail to unveilHere's a song, sing along
保釈されて、真実を暴きにいく
ここに歌がある、一緒に歌え
[Verse]
They got nothing for me anymoreI got nothing for you
I don't care what they say anymore
All I want is the truth
奴らはもう、俺に何ももたらさない
俺はお前に何も(分け前を)やらない
奴らが何を言おうと、もう気になんかねぇ
俺が欲しいのはただ真実だけだ
[Chorus]
Out on bail to unveilHere's a song, sing along
Watch my style, pick a place
Wipe the smile from your face
Out on bail to unveil
Here's a song, sing along
Watch my style, pick a place
Wipe the smile from your face
保釈されて、真実を暴きにいく
ここに歌がある、一緒に歌え
俺のやり方を見てみろ、場所を選べ
お前の顔からその笑みを拭い去ってやる
保釈されて、真実を暴きにいく
ここに歌がある、一緒に歌え
俺のやり方を見てみろ、場所を選べ
お前の顔からその笑みを拭い去ってやる
[Instrumental Break]
(間奏)
[Outro]
They got nothing on me anymoreThey got nothing on you
I don't care what they say anymore
All I want is the truth
奴らはもう、俺に対して何の弱みも握っちゃいない
奴らはもう、お前に対して何の弱みも握っちゃいない
奴らが何を言おうと、もう気になんかねぇ
俺が欲しいのはただ真実だけだ
英単語と英文法の解説
初心者の方にも分かりやすいように、優しく詳しく解説をします。英単語の解説
1. Ain't
意味: 「〜ではない」「持っていない」Ain't は is not, are not, has not, have not の口語的で非標準的な短縮形です。歌詞のタイトル Ain't Got Nothin' は、I haven't got anything(何も持っていない)を非常に強調した言い方です。
例文: He ain't coming to the party tonight. (彼は今夜パーティーに来ない。)
2. Got nothing on me
意味: 「俺に不利な情報を持っていない」「弱みを握っていない」have nothing on someone は「〜に対して不利な証拠や情報を持っていない」という意味のイディオムです。ここでは、世間や敵対者が話者に対して影響力や支配力がないことを、非常に強く主張しています。
例文: The police had nothing on the suspect, so they had to release him. (警察はその容疑者に関する証拠を持っていなかったので、彼を釈放しなければならなかった。)
3. Anymore
意味: 「もう〜ない」「もはや」否定文と一緒に使われ、ある状況が過去にはあったが、現在は続いていないことを示します。ここでは「もう(奴らの言うことなんて)気にしない」という、話者の態度の変化を強調しています。
例文: I don't eat meat anymore. (私はもう肉を食べません。)
4. Truth
意味: 「真実」「事実」All I want is the truth(俺が欲しいのはただ真実だけだ)というフレーズは、話者が嘘や偽りに満ちた世間を捨て、本質的なものを求めているという強い決意を表します。
例文: Always tell the truth, no matter what. (何があっても、常に真実を言いなさい。)
5. Out on bail
意味: 「保釈されて」「保釈中に」bail は「保釈金」または「保釈」という意味です。Out on bail は、一時的に拘束を解かれた状態を指します。歌詞では、社会的なルールや制限から解放されたという比喩的な意味合いが強いです。
例文: After paying the fee, the suspect was out on bail. (料金を払った後、容疑者は保釈された。)
6. Unveil
意味: 「明らかにする」「公表する」「(覆いを)取る」veil(ベール)を un-(否定)することで、隠されていたもの、秘密にされていたものを世間にさらけ出すという意味になります。ここでは、話者が真実を暴くという使命を帯びていることを示唆しています。
例文: The company will unveil its new product next month. (その会社は来月、新製品を発表する予定だ。)
7. Sing along
意味: 「一緒に歌う」「唱和する」sing(歌う)と along(一緒に)が組み合わさった句動詞です。Here's a song, sing along は、話者が提示するメッセージや生き方に、周りの人々が賛同し、追随することを求めています。
例文: The whole crowd started to sing along to the music. (観客全員がその音楽に合わせて一緒に歌い始めた。)
8. Wipe the smile from your face
意味: 「お前の顔から笑みを拭い去ってやる」非常に攻撃的で威嚇的な表現です。話者(俺)が敵対者を打ち負かし、彼らの余裕や優越感を破壊するという、支配的な姿勢を強調しています。
例文: His sudden failure was enough to wipe the smile from his face. (彼の突然の失敗は、顔から笑みを消し去るのに十分だった。)
9. Pick a place
意味: 「場所を選べ」「好きな場所を選べ」pick(選ぶ)が使われた命令文です。文脈上、Watch my style(俺のやり方を見てみろ)と対になっており、これは「俺との対決の場所を選べ」という、挑戦状のようなニュアンスを含んでいます。
英文法の解説
1. They got nothing on me (口語表現の Got)
文法: S + have got + Ogot は、have got の have が省略された形です。have got は、have(持っている)と同じ意味ですが、特にイギリス英語で所有や状態を表す際によく使われる口語表現です。ここでは、強い否定形の Ain't Got Nothin' と組み合わされています。
例文: I've got a new guitar. (私は新しいギターを持っています。)
2. All I want is the truth (関係代名詞の省略)
文法: All (that) S V is OAll I want は、All that I want の that(関係代名詞)が省略された形です。that は目的格なので省略可能です。「私が欲しいすべては〜だ」という強調構文で、話者の願いの全てが真実であることを示しています。
例文: All (that) he needs is a little sleep. (彼が必要なのは少しの睡眠だけだ。)
3. I don't care what they say (間接疑問文)
文法: S + V + what S VI don't care(私は気にしない)という主節の後に、what they say(彼らが言うこと)という間接疑問文(名詞節)が目的語として続いています。この名詞節は「彼らが何を言うか」という内容全体を指しています。
例文: I don't know where he lives. (私は彼がどこに住んでいるか知らない。)
4. Out on bail to unveil (不定詞の副詞的用法 - 目的)
文法: to + 動詞の原形to unveil は不定詞で、「明らかにするために」という目的を表しています。Out on bail(保釈された)という行動の理由や目的を説明しています。
例文: She works hard to save money. (彼女はお金を貯めるために一生懸命働く。)
5. Here's a song (倒置構文)
文法: Here is S本来は A song is here ですが、Here(ここに)を強調するために文頭に置き、主語と動詞が倒置しています。「ここに〜がある」と、聴衆に何かを提示する際に使われる、注目を集める表現です。
例文: Here is your change. (あなたのお釣りです。)
6. Watch my style, pick a place (命令文の並列)
文法: 動詞の原形 + , + 動詞の原形主語(You)を省略し、動詞の原形から始める命令文がコンマで並べられています。話者の高圧的で挑戦的な態度を明確に示しています。
例文: Go straight, and turn left at the corner. (まっすぐ行って、角を左に曲がってください。)
7. They got nothing for me (前置詞 for)
文法: nothing for someonefor は「〜のために」や「〜に関して」という意味の前置詞です。ここでは「奴らは俺に提供すべきものがない」「俺に与えるべき価値がない」というニュアンスで使われています。
例文: I bought a present for my friend. (私は友達のためにプレゼントを買った。)
8. Wipe the smile from your face (前置詞 from)
文法: Wipe O from Nfrom は「〜から」という意味の前置詞で、分離や出所を示します。ここでは「笑みを顔から拭い去る」という動作と場所の分離を明確に表しています。
例文: He took the wallet from the table. (彼はテーブルから財布を取った。)
9. anymore (否定文での使用)
文法: S + don't + V + anymoreanymore は否定文の終わりに置かれ、「もはや〜ない」という強い否定を表現します。この曲で何度も繰り返されることで、話者の決別と諦めの感情を強調しています。
例文: I don't want to see him anymore. (もう彼に会いたくない。)
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