Oasis - Falling Down (Official Video)

Falling Down / Oasis - フォーリング・ダウン / オアシス (2009年) の歌詞日本語訳です。

楽曲の解説

“Falling Down”は、Oasisの最後のスタジオアルバムとなった Dig Out Your Soul (2008年) から、3枚目にしてOasis史上最後のシングルとして2009年にリリースされました。2010年にはシングルコレクション Time Flies… 1994-2009 にも収録されています。

この曲はノエル・ギャラガーによって書かれ、彼がリードボーカルを務めています。曲はサイケデリックな雰囲気が色濃く、壮大で内省的なテーマを持っています。ノエル自身が「生きている夢(dying dream)」と表現するように、歌詞全体を通して、現実の崩壊、時間の流れ、そして神や運命への問いかけという、非常に哲学的で終末的なムードが漂っています。

歌詞のテーマ

この曲の核となるテーマは、過去の喪失と、避けられない運命に対する諦念と抵抗です。
  • Verse 1 & Outro: 「The summer sun, it blows my mind」という美しい情景から始まりながら、「Falling down on all that I've ever known(俺が知るすべての上に崩れ落ちていく)」と続き、時間とともにすべてが崩壊していくという、切なくも壮大なイメージを描き出しています。
  • Chorus: 絶望的な状況の中で、神に助けを求めるものの拒絶された結果、「If you won't save me, please, don't waste my time」(助けてくれないなら、頼むから俺の時間を無駄にしないでくれ)という、切実な願いと、彼らしい皮肉的な強がりが表現されています。



歌詞と和訳

[Intro]

(One, two, three, four)

(ワン、ツー、スリー、フォー)

[Verse 1]

The summer sun, it blows my mind
It's falling down on all that I've ever known
Time will kiss the world goodbye
Falling down on all that I've ever known
It is all that I've ever known

夏の太陽、それは俺の心を揺さぶる
俺が知るすべての上に、それは崩れ落ちていく
時は世界にキスをして別れを告げるだろう
俺が知るすべての上に、それは崩れ落ちていく
それが、俺がこれまで知ってきたすべてだ

[Verse 2]

A dying scream, makes no sound
Calling out to all that I've ever known
Here am I, lost and found
Calling out to all

消えゆく叫びは、音を立てない
俺が知るすべてに向かって呼びかける
ここに俺はいる、迷子になり、そして見つけられた
すべてに向かって呼びかける

[Pre-Chorus]

We live a dying dream
If you know what I mean
All that I've ever known
It's all that I've ever known

俺たちは「滅びゆく夢」を生きている
俺の言いたいことが分かるなら
俺がこれまで知ってきたすべて
それが、俺がこれまで知ってきたすべてだ

[Chorus]

Catch the wheel that breaks the butterfly
I cried the rain that fills the ocean wide
I tried to talk with God to no avail
I call him up in and out of nowhere
I said, "If you won't save me, please, don't waste my time"

蝶々を打ち砕く車輪を捕まえてくれ
俺は、広大な海を満たすほどの雨を泣いた
神と話そうとしたが、何の役にも立たなかった
どこからともなく、彼を呼び出す
俺は言った、「助けてくれないなら、頼むから俺の時間を無駄にしないでくれ」

[Bridge]

(Hoo-ooh, hoo-ooh
Falling down on all
Hoo-ooh, falling down on all
That I've ever known
It's all that I've ever known)

(フーウー、フーウー
すべての上に崩れ落ちる
フーウー、すべての上に崩れ落ちる
俺がこれまで知ってきた
それが、俺がこれまで知ってきたすべてだ)

[Instrumental Break]

(間奏)

[Chorus]

Catch the wheel that breaks the butterfly
I cried the rain that fills the ocean wide
I tried to talk with God to no avail
I called him up in and out of nowhere
Said, "If you won't save me, please, don't waste my time"

蝶々を打ち砕く車輪を捕まえてくれ
俺は、広大な海を満たすほどの雨を泣いた
神と話そうとしたが、何の役にも立たなかった
どこからともなく、彼を呼び出した
言った、「助けてくれないなら、頼むから俺の時間を無駄にしないでくれ」

[Interlude]

(Hoo-ooh)

(フーウー)

[Outro]

The summer sun, blows my mind
It's falling down on all that I've ever known
Time will kiss the world goodbye
Falling down on all that I've ever known
It is all that I've ever known

夏の太陽、俺の心を揺さぶる
俺が知るすべての上に、それは崩れ落ちていく
時は世界にキスをして別れを告げるだろう
俺が知るすべての上に、それは崩れ落ちていく
それが、俺がこれまで知ってきたすべてだ

英単語と英文法の解説

初心者の方にも分かりやすいように、優しく詳しく解説をします。

英単語の解説

1. blows my mind

意味: 「度肝を抜く」「驚愕させる」「深く感動させる」
blow someone's mind は、非常に強い感情的な衝撃や感銘を与えることを意味します。ここでは夏の太陽の美しさや、それがもたらす変化に圧倒されている状態を表します。
例文: The concert's special effects really blew my mind. (そのコンサートの特殊効果には本当に驚かされた。)

2. falling down on

意味: 「~の上に崩れ落ちていく」「~を襲う」
文字通り何かが崩壊する、または迫ってくるイメージです。この曲では、慣れ親しんだ世界や現実が徐々に終焉を迎えているという、詩的でメランコリックな感覚を強調しています。

3. kiss the world goodbye

意味: 「世界に別れを告げる」「終わりを迎える」
非常に詩的な表現で、Time will kiss the world goodbye は「時間が終わりをもたらす」つまり、あらゆるものが永遠に失われていくという、避けられない運命や喪失を指しています。

4. dying dream

意味: 「滅びゆく夢」「死につつある理想」
Pre-Chorus のキーフレーズです。かつて抱いていた希望や理想が、現実の中で少しずつ失われている状態を表現しています。美しいけれど、やがて消えてしまう儚い夢のような人生を指します。

5. to no avail

意味: 「無駄に」「甲斐なく」「効果なく」
tried to talk with God to no avail で「神と話そうとしたが、無駄だった」という意味になります。努力や試みが何の成果も生み出さなかったという、絶望的な状況を強調しています。
例文: I searched for my keys everywhere, but to no avail. (鍵を隅々まで探したが、無駄だった。)

6. in and out of nowhere

意味: 「どこからともなく現れたり消えたり」「断続的に」
nowhere は「どこにもない場所」です。in and out of nowhere は、神のような存在が突然現れたり、すぐに消えたりするという、掴みどころのない、不安定なコミュニケーションを表現しています。

7. waste my time

意味: 「私の時間を無駄にする」
話者の切実な苛立ちとプライドを示す部分です。「どうせ助けてくれないなら、希望を持たせてから裏切るような真似をして、俺の時間をこれ以上浪費するな」という強いメッセージが込められています。

英文法の解説

1. all that I've ever known (関係代名詞 that)

文法: all that S have ever known
that は関係代名詞で、先行詞 all(すべて)を修飾しています。have ever known は現在完了形で、「これまでにずっと知ってきた」という経験や継続を強調し、「俺の知っているすべて」という、話者の全経験を表しています。

2. A dying scream, makes no sound (動名詞の形容詞的用法)

文法: A dying + 名詞
dying は動詞 die(死ぬ)の現在分詞ですが、ここでは形容詞として scream(叫び)を修飾し、「消えゆく叫び」や「死にゆく叫び」という意味になります。

3. Here am I, lost and found (倒置構文)

文法: Here be動詞 S
本来は I am here ですが、Here を強調するために文頭に置くと、be動詞と主語が倒置します。詩的な表現や強い感情を伝える際によく使われる形です。lost and found(迷子になり、見つけられた)という対照的な状態が、話者の不安定な精神状態を示しています。

4. Catch the wheel that breaks the butterfly (関係代名詞 that)

文法: the wheel that V
ここでの that も関係代名詞で、先行詞 the wheel(車輪)を修飾しています。「蝶々を打ち砕く車輪」という、無慈悲な運命や時の流れを比喩的に表現しています。

5. I cried the rain that fills the ocean wide (目的語と関係代名詞)

文法: I cried the rain
cry は通常「泣く」という自動詞ですが、ここでは「(あるものを)泣き出す」という他動詞的な用法として使われています。「(その雨を)泣いた」という表現で、話者の涙の量が海を満たすほど膨大であったという誇張を強調しています。

6. If you won't save me (助動詞 will の否定形 won't)

文法: If S won't V
won't は will not の短縮形で、ここでは単なる未来ではなく、「拒絶の意志」を強く表しています。「もしあなたが、私を助けようとしないのなら」という、神の意志に対する強い不満と挑戦のニュアンスを含んでいます。

アルバム収録曲の和訳(『Dig Out Your Soul』)

  1. Bag It Up
  2. The Turning
  3. Waiting for the Rapture
  4. The Shock of the Lightning
  5. I'm Outta Time
  6. (Get Off Your) High Horse Lady
  7. Falling Down
  8. To Be Where There's Life
  9. Ain't Got Nothin'
  10. The Nature of Reality
  11. Soldier On