音楽界最大の祭典、2026年グラミー賞授賞式。下馬評通り、ケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)が圧倒的な存在感を示し5つのトロフィーを手にしましたが、この夜最大の衝撃は、最優秀アルバム賞(Album of the Year)の発表の瞬間に訪れました。

この記事を読んだらわかること

  • ケンドリック・ラマーが達成した、歴代ラッパー最多受賞という金字塔
  • Bad Bunnyが『Debí Tirar Más Fotos』で成し遂げた、非英語圏アーティスト初の悲願
  • ポップ、ロック、ラップからR&Bまで、全主要部門の完全網羅リスト



総評:権威と革新が交差した、2020年代音楽史の転換点

2026年のグラミー賞は、まさに「実力者たちの凱旋」と「歴史の刷新」が同時に起こった記念碑的な年となりました。最多9ノミネートで夜を迎えたケンドリック・ラマーは、SZAとのコラボ曲「luther」で年間最優秀レコード賞を、そして最新作『GNX』で最優秀ラップ・アルバム賞を含む5部門を制覇。これにより、彼はグラミー賞史上最も多くのトロフィーを持つラッパーとなりました。

一方で、主要部門を独占させなかったのがビリー・アイリッシュです。彼女の繊細かつ力強い名曲「WILDFLOWER」は年間最優秀楽曲賞に輝き、改めてその類まれなる表現力を見せつけました。そして、式典のクライマックスを飾ったのはBad Bunny。彼のアルバム『Debí Tirar Más Fotos』は、スペイン語作品として史上初めて年間最優秀アルバム賞を受賞し、音楽界の「言語の壁」を完全に打ち砕く歴史的一歩を刻みました。

主要4部門(GENERAL FIELD)

年間最優秀レコード賞(Record of the Year)

★栄冠: 「luther」 Kendrick Lamar feat. SZA

年間最優秀楽曲賞(Song of the Year)

★栄冠: 「WILDFLOWER」 Billie Eilish

年間最優秀アルバム賞(Album of the Year)

★栄冠: 『Debí Tirar Más Fotos』 Bad Bunny

最優秀新人賞(Best New Artist)

★栄冠: Olivia Dean

ポップ部門(POP)

最優秀ポップ・ボーカル・アルバム

★栄冠: 『MAYHEM』 Lady Gaga

最優秀ポップ・ソロ・パフォーマンス

★栄冠: 「MessyLola Young

最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス

★栄冠: 「Defying GravityCynthia Erivo & Ariana Grande

ダンス/エレクトロニック部門(DANCE / ELECTRONIC)

最優秀ダンス/エレクトロニック・レコーディング

★栄冠: 「End Of SummerTame Impala

最優秀ダンス/エレクトロニック・アルバム

★栄冠: 『Eusexua』 FKA twigs

最優秀ダンス/ポップ・レコーディング

★栄冠: 「AbracadabraLady Gaga

ロック/オルタナティヴ/メタル部門(ROCK / ALT / METAL)

最優秀ロック・パフォーマンス

★栄冠: 「Changes (Live From Villa Park)Yungblud ft. Nuno Bettencourt, Frank Bello, Adam Wakeman, II

最優秀ロック・ソング

★栄冠: 「As Alive As You Need Me To BeNine Inch Nails

最優秀ロック・アルバム

★栄冠: 『Never Enough』 Turnstile

最優秀オルタナティヴ・ミュージック・アルバム

★栄冠: 『Songs Of A Lost World』 The Cure

最優秀メタル・パフォーマンス

★栄冠: 「BirdsTurnstile

ラップ部門(RAP)

最優秀ラップ・パフォーマンス

★栄冠: 「Chains & WhipsClipse feat. Kendrick Lamar & Pharrell Williams

最優秀メロディック・ラップ・パフォーマンス

★栄冠: 「lutherKendrick Lamar with SZA

最優秀ラップ・ソング

★栄冠: 「tv offKendrick Lamar feat. Lefty Gunplay

R&B部門(R&B)

最優秀R&Bパフォーマンス

★栄冠: 「FoldedKehlani

最優秀R&Bソング

★栄冠: 「FoldedKehlani

最優秀R&Bアルバム

★栄冠: 『Mutt』 Leon Thomas

カントリー部門(COUNTRY)

最優秀カントリー・ソロ・パフォーマンス

★栄冠: 「Bad As I Used To BeChris Stapleton

最優秀現代カントリー・アルバム

★栄冠: 『Beautifully Broken』 Jelly Roll

なぜ2026年は「歴史的」なのか

今年のグラミー賞は、ある種の「再定義」の年だったと言えるでしょう。Bad Bunnyの『Debí Tirar Más Fotos』の受賞は、ストリーミング時代の真の覇者をアカデミーが公式に認めたことを意味します。

また、ケンドリック・ラマーの多冠は、ヒップホップ・シーンにおける「本物志向」への回帰を象徴しています。商業的な成功だけでなく、『GNX』のような深いメッセージ性を持つ作品が正当に評価されたことは、音楽の未来に明るい希望を抱かせてくれます。

受賞を逃したものの、サブリナ・カーペンターチャペル・ローン、そしてROSÉ & Bruno Marsといったノミニーたちの活躍も、2026年がどれほど豊かな年であったかを物語っています。

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