Oasis - Lord Don't Slow Me Down (Official Video)

Lord Don't Slow Me Down / Oasis - ロード・ドント・スロー・ミー・ダウン / オアシス (2007年) の歌詞日本語訳です。

楽曲の解説

"Lord Don't Slow Me Down" は、2007年にOasisの同名ロック・ドキュメンタリー映画をプロモーションするために、バンド初のダウンロード限定シングルとしてリリースされました。この曲は、当時のイギリスでダウンロード限定シングルとして最高位のトップ10入りを果たしています。

曲は、ノエル・ギャラガーによって書かれ、そのサウンドは疾走感のあるブルースロックを基調としています。歌詞は、疲労や悪習、享楽的な生活といった「堕落した」状態を認めながらも、その生き方を止めようとしない反骨精神と自己肯定に満ちています。

特に重要なのは、「Lord won't slow me down」(神よ、俺のスピードを落とさないでくれ)というフレーズです。これは、「誰にも、どんな力にも、俺の突き進む勢いを止めさせない」という強い決意と反抗心を象徴しています。自己破壊的でありながらも、夢見ること、生きることの情熱を失っていない主人公の姿を描いています。

男目線での和訳の内容

語り手である「俺」は、疲れ果て、悪癖がやめられず、二日酔いのようだと、最悪の状態を正直に告白します。しかし、「自分の作った場所で夢を見続けろ」と自分に言い聞かせ、その現状を肯定します。周りから「頭が浮かれている」head's locked up in the clouds)と批判されても気にせず、「神様ですら俺の勢いを止めないでくれと祈る」と、自分の道を進むことへの強い執着と信念を表明しています。



歌詞と和訳

[Verse 1]

Well I'm tired and I'm sick
I got a habit that I just can't kick
I feel hungover and I'm all in love
Let the lights go down
I'm gonna shoot 'em up
It's alright, don't be afraid
You gotta keep dreaming in the bed you made
And if it tastes like shit
Well, it beats sleeping rough on the floor

ああ、俺は疲れて病んでいる
どうしてもやめられない悪癖があるんだ
二日酔いみたいに感じるし、全てに恋をしている
照明を落とさせてくれ
俺はぶち上げるつもりだ
大丈夫だ、恐れるな
お前が作ったベッドの中で夢を見続けなきゃならない
そして、もしそれがクソみたいな味だとしても
ああ、床で野宿するよりはマシだろう

[Chorus]

You keep saying
That my head's locked up in the clouds
But keep praying
That the Lord won't slow me down

お前は言い続ける
俺の頭は雲の中に閉じ込められている、と
だけど祈り続けろ
神が俺のスピードを落とさないように、と

[Verse 2]

Well, I'm tired and I'm sick
I got a habit that a cat won't lick
I feel hungover and I'm all in love
Let the lights go down
Me and you are gonna shoot 'em up

ああ、俺は疲れて病んでいる
猫ですら舐めないような悪癖があるんだ
二日酔いみたいに感じるし、全てに恋をしている
照明を落とさせてくれ
俺とお前でぶち上げるつもりだ

[Instrumental Break]

(間奏)

[Chorus]

You keep saying
That my head's locked up in the clouds
But keep praying
That the Lord won't slow me down

お前は言い続ける
俺の頭は雲の中に閉じ込められている、と
だけど祈り続けろ
神が俺のスピードを落とさないように、と

[Outro]

Well, I'm tired and I'm sick
I got a habit that I just can't kick
I feel hungover and I'm all in love
When the lights go down
Me and you are gonna shoot 'em up

ああ、俺は疲れて病んでいる
どうしてもやめられない悪癖があるんだ
二日酔いみたいに感じるし、全てに恋をしている
照明が落ちるとき
俺とお前でぶち上げるつもりだ

英単語と英文法の解説

初心者の方にも分かりやすいように、優しく詳しく解説をします。

英単語の解説

1. Tired and sick

意味: 「疲れて病んでいる」「うんざりしている」
tired(疲れている)と sick(病気の)を並列することで、肉体的・精神的な疲労が限界に達している状態を表します。しかし、この文脈では「疲れていても、それでも行く」という反骨精神を強調しています。
例文: I feel tired and sick after staying up all night. (一晩中起きていたので、疲れて気分が悪い。)

2. Habit

意味: 「習慣」「癖」「悪癖」
ここでは「I got a habit that I just can't kick」(どうしてもやめられない悪癖)として、中毒性の高いものや、望ましくない習慣を指しています。
例文: Smoking is a very bad habit. (喫煙は非常に悪い習慣です。)

3. Kick (a habit)

意味: 「(悪癖などを)やめる」「断つ」
kick は本来「蹴る」という意味ですが、kick a habit で「悪癖を断ち切る」という慣用的な句動詞として使われます。ここでは、やめられない状態を強調しています。
例文: It took him years to finally kick his sugar addiction. (彼が砂糖中毒を最終的にやめるまでには何年もかかった。)

4. Hungover

意味: 「二日酔いの」「(過去のことに)引きずられている」
hangover(二日酔い)の形容詞形で、飲みすぎた翌朝のような、体調の悪い状態を指します。ここでは、だらしない生活や、過去の経験に引きずられている状態も示唆しています。
例文: I had too much beer last night, so I'm really hungover today. (昨晩ビールを飲みすぎたので、今日は本当に二日酔いだ。)

5. All in love

意味: 「全てに恋をしている」「全てに夢中だ」
all in は「完全に」という意味を強調します。I'm all in love で、「人生や周りの全てに対して情熱的である」という極端なまでの肯定的な感情を表しています。

6. Shoot 'em up (Shoot them up)

意味: 「ぶち上げる」「盛大にやる」「(銃で)撃ちまくる」
shoot up は「急上昇する」や「注射を打つ」などの意味がありますが、ここでは「大騒ぎする」「パーティーを盛大に始める」といった興奮した行動を意味するスラング的な表現です。
例文: The crowd was ready to shoot 'em up after the concert started. (コンサートが始まると、観衆は騒ぎ出す準備ができていた。)

7. Keep dreaming

意味: 「夢を見続ける」「希望を持ち続ける」
keep + 動詞の -ing 形 は「〜し続ける」という継続を表します。ここでは、「困難な状況でも希望を失わず、理想を追い求めること」を強く勧めています。
例文: No matter what happens, you must keep dreaming. (何が起ころうとも、夢を見続けなければならない。)

8. Sleeping rough

意味: 「路上で寝る」「野宿する」
rough(粗い、乱暴な)を副詞のように使い、「粗末な場所で寝る」という意味になります。on the floor(床で)という表現と合わせて、最低限の生活状態を指しています。
例文: He had to sleep rough for a few months after losing his job. (彼は仕事を失った後、数ヶ月間野宿しなければならなかった。)

9. Locked up in the clouds

意味: 「雲の中に閉じ込められている」「非現実的だ」「浮かれている」
in the clouds は「空想にふけっている」「世間離れしている」という比喩表現です。locked up(閉じ込められている)が加わることで、「現実を見ず、浮ついた考えに囚われている」という批判的な意味になります。

英文法の解説

1. I'm tired and I'm sick (be動詞 + 形容詞)

文法: be動詞 + 形容詞
be動詞 の後に 形容詞 が続くことで、主語の状態を説明する最も基本的な文法です。

2. I got a habit (have gotの口語表現)

文法: I got (I have got)
I gotI have got(私は〜を持っている)の口語的な短縮形です。have gothave と同じく「持つ」という意味で使われます。
例文: I got a new bike yesterday. (昨日新しい自転車を手に入れた。)

3. that I just can't kick (関係代名詞 that)

文法: 名詞 + that S V
that関係代名詞で、直前の名詞 habit(習慣)を説明しています。that は目的格として省略可能ですが、ここでは使われています。
例文: This is the song that I listen to every day. (これが私が毎日聴く曲だ。)

4. Let the lights go down (使役動詞 Let)

文法: Let + O + 動詞の原形
Let は「Oに〜させることを許す」という使役動詞です。the lights go down で「照明が落ちることを許す」つまり「照明を落とす」という意味になります。
例文: Please let me know when you are ready. (準備ができたら私に知らせてください。)

5. You gotta keep dreaming (You have got to)

文法: You gotta (You have got to) + 動詞の原形
You gotta は「あなたは〜しなければならない」という強い義務や必要性を表す口語表現です。You have got to を短縮した形です。

6. in the bed you made (関係代名詞の省略)

文法: 名詞 + S V
the bed(ベッド)と you made(あなたが作った)の間に、関係代名詞 that(または which)が目的格として省略されています。「あなたが作ったそのベッド」という意味です。
例文: I like the dress (that) you wore yesterday. (あなたが昨日着ていたあのドレスが好きだ。)

7. it beats sleeping rough (動詞 beat の用法)

文法: It beats + 動詞の -ing
beat には「打ち負かす」という意味以外に、「〜よりも優れている」「〜に勝る」という意味があります。It beats sleeping rough で、「野宿するよりも優れている/マシだ」という意味になります。
例文: Taking a taxi beats walking in the rain. (タクシーに乗るのは雨の中を歩くよりもマシだ。)

8. You keep saying (Keep + 動詞の -ing)

文法: Keep + 動詞の -ing
〜し続ける」という動作の継続を表します。ここでは、相手が批判や意見を言い続けている状態を示しています。

9. That the Lord won't slow me down (助動詞 won't)

文法: won't (will not) + 動詞の原形
won'twill not の短縮形で、「〜しないだろう」という未来の否定強い拒否を表す助動詞です。ここでは、「神が俺のスピードを落とさないだろう」という未来への希望を祈っています。

10. Me and you are gonna shoot 'em up (主語の表現)

文法: Me and you + be動詞
文法的にはI and you(あるいは You and I)とすべきところですが、Me and you口語歌詞でよく使われる表現です。ここでは「俺とお前は〜するつもりだ」という共同の行動を表しています。