Mary's Boy Child

Harry Belafonteの「Mary's Boy Child」:カリブ海のリズムで綴るキリスト誕生の物語

楽曲情報

  • 曲名: Mary's Boy Child (メアリーズ・ボーイ・チャイルド)
  • アーティスト名: Harry Belafonte (ハリー・ベラフォンテ) 他
  • アルバム名、リリース年: Island in the Sun: The Complete Recordings 1949-1957 (Harry Belafonte版、1957年) / Christmas in Our Hearts (Jose Mari Chan版、1990年)
  • トラック番号: 67 (Belafonte) / 3 (Chan)
  • プロデューサー: Dennis Farnon & Henri René (Belafonte) / Jose Mari Chan (Chan)

楽曲解説:聖書の物語とカリプソのリズム

「Mary's Boy Child」は、キリストの誕生の物語を歌った伝統的なクリスマス・キャロルであり、ハリー・ベラフォンテによる1957年のカリプソ・バージョンが世界的に有名になりました。特に、ディスコグループBoney M.や、フィリピンのホセ・マリ・チャンによるカバーも世界的に広く知られています。この曲は、シンプルながらも感動的な歌詞と、カリブ海のリズムが融合した独特の雰囲気を持っています。

カリプソ風の聖書物語(Vesre 1 & 2)

歌詞は、聖書のルカによる福音書にあるイエス・キリストの誕生の出来事を、素朴で親しみやすい言葉で語っています。

  • 聖書の引用:「Long time ago in Bethlehem / So the Holy Bible say」(ずっと昔ベツレヘムで/聖書が言うように)という導入は、物語が神聖な起源を持つことを示しています。
  • 文法の簡略化:特にヴァース2の「While shepherds watched their flock by night / Them see a bright new shining star」では、「They saw」ではなく「Them see」という、カリプソや一部のカリブ英語に見られる非標準的な文法が用いられています。これにより、曲に独特の庶民的で温かい雰囲気が加わっています。
  • 宿探しの苦難:「Then find no place to borne she child / Not a single room was in sight」(そのとき、彼女の子供を産む場所を見つけられなかった/部屋一つ見つからなかった)という描写は、マリアとヨセフの当時の苦難を伝えています。

天使の歌と永遠の命(Chorus)

コーラスは、誕生の奇跡とその神学的な意味を力強く宣言しています。

  • 天使の宣言:「Hark, now hear the angels sing / A new King born today」(聞け、今や天使たちが歌うのを聞け/今日、新しい王が生まれた)という呼びかけは、イエス・キリストの誕生の重要性を強調しています。
  • 救世主の到来:「And man will live forevermore / Because of Christmas day」(そして人々は永遠に生きるだろう/クリスマスの日のおかげで)というフレーズは、イエスの誕生が人類にもたらす「永遠の命」という救済のメッセージを明確に示しています。
  • 楽器の祝福:「Trumpets sound and angels sing」(トランペットが鳴り響き、天使たちが歌う)という表現は、この誕生が天と地全体で祝福される、壮大で喜びにあふれた出来事であることを伝えています。

誕生の瞬間(Vesre 3)

最後のヴァースは、キリストが生まれた場所の詳細を語り、物語を完結させます。

  • 馬小屋での出産:「By and by they find a little nook / In a stable all forlorn / And in a manger cold and dark」(やがて彼らは小さな隅を見つけた/全くわびしい馬小屋の中で/そして冷たく暗い飼い葉桶の中で)という描写は、神の子の誕生が最も謙遜で質素な環境で起こったという聖書の教えを強調しています。




歌詞と和訳

Mary's Boy Child

[Verse 1]
Long time ago in Bethlehem
So the Holy Bible say
Mary's boy child, Jesus Christ
Was born on Christmas day

[ヴァース 1]
ずっと昔、ベツレヘムで
聖なる聖書が言うように
マリアの御子、イエス・キリストは
クリスマスの日に生まれた

[Chorus]
Hark, now hear the angels sing
A new King born today
And man will live forevermore
Because of Christmas day
Trumpets sound and angels sing
Listen what they say
That man will live forevermore
Because of Christmas day

[コーラス]
聞け、今や天使たちが歌うのを聞け
今日、新しい王が生まれた
そして人々は永遠に生きるだろう
クリスマスの日のおかげで
トランペットが鳴り響き、天使たちが歌う
彼らが言うことを聞け
人々は永遠に生きるだろうと
クリスマスの日のおかげで

[Verse 2]
While shepherds watched their flock by night
Them see a bright new shining star
Then hear a choir sing
The music seemed to come from afar
Now Joseph and his wife Mary
Come to Bethlehem that night
Then find no place to borne she child
Not a single room was in sight

[ヴァース 2]
羊飼いたちが夜に群れを見張っている間
彼らは明るく新しく輝く星を見た
それから合唱団の歌声を聞いた
その音楽は遥か遠くから来るようだった
さて、ヨセフと彼の妻マリアは
その夜、ベツレヘムに来た
だが、彼女の子供を産む場所を見つけられなかった
部屋一つ見当たらなかった

[Chorus]
Hark, now hear the angels sing
A new King born today
And man will live forevermore
Because of Christmas day
Trumpets sound and angels sing
Listen what they say
That man will live forevermore
Because of Christmas day

[コーラス]
聞け、今や天使たちが歌うのを聞け
今日、新しい王が生まれた
そして人々は永遠に生きるだろう
クリスマスの日のおかげで
トランペットが鳴り響き、天使たちが歌う
彼らが言うことを聞け
人々は永遠に生きるだろうと
クリスマスの日のおかげで

[Verse 3]
By and by they find a little nook
In a stable all forlorn
And in a manger cold and dark
Mary's little boy was born
Long time ago in Bethlehem
So the Holy Bible say
Mary's boy child, Jesus Christ
Was born on Christmas day

[ヴァース 3]
やがて彼らは小さな隅を見つけた
全くわびしい馬小屋の中で
そして冷たく暗い飼い葉桶の中で
マリアの小さな男の子は生まれた
ずっと昔、ベツレヘムで
聖なる聖書が言うように
マリアの御子、イエス・キリストは
クリスマスの日に生まれた

[Chorus]
Hark, now hear the angels sing
A new King born today
And man will live forevermore
Because of Christmas day
Trumpets sound and angels sing
Listen what they say
That man will live forevermore
Because of Christmas day

[コーラス]
聞け、今や天使たちが歌うのを聞け
今日、新しい王が生まれた
そして人々は永遠に生きるだろう
クリスマスの日のおかげで
トランペットが鳴り響き、天使たちが歌う
彼らが言うことを聞け
人々は永遠に生きるだろうと
クリスマスの日のおかげで


Boney M. - Mary's Boy Child (Official Video)

英単語と英文法の解説

この曲の英語表現は、聖書の物語をカリプソのリズムに乗せており、物語的でやや古風な語彙、そしてカリブ海特有の口語的な文法を学ぶのに役立ちます。

主な英単語の解説

  • Bethlehem: 「ベツレヘム」。イエス・キリストが生まれたとされる場所です。
  • Holy Bible: 「聖書」のことです。神聖な書物であることを強調しています。
  • Hark: 「聞け」という意味の古風な感嘆詞です。天使の歌声に注意を促す際に使われます。
  • forevermore: 「永遠に」「永久に」という意味で、詩的で古風な表現です。
  • Trumpets sound: 「トランペットが鳴り響く」という意味です。喜びや荘厳な出来事を表現する際に用いられます。
  • shepherds: 「羊飼い」のことです。キリストの誕生を最初に知らされた人々とされています。
  • flock: 「群れ」という意味です。ここでは羊の群れを指します。
  • choir: 「合唱団」「聖歌隊」のことです。ここでは天使の歌声を指します。
  • afar: 「遠くから」「遥か遠くに」という意味で、詩的な表現です。
  • By and by: 「やがて」「そのうち」という意味のイディオムです。
  • nook: 「」「隅っこ」という意味で、ここでは小さな場所を指します。
  • forlorn: 「わびしい」「心細い」という意味の形容詞です。馬小屋の寂しい様子を表しています。
  • manger: 「飼い葉桶」のことです。キリストが寝かされた場所です。

主な英文法の解説

  • So the Holy Bible say: 正しい文法は So the Holy Bible says ですが、say がそのまま使われるのはカリプソなどのレゲエやカリブ海系の英語にしばしば見られる表現で、文法的な規則を崩した形です。
  • Mary's boy child, Jesus Christ, Was born...: 主語が長く、動詞が受動態 Was born(生まれた)となっています。
  • Hark, now hear the angels sing: Hark は古風な命令形です。hear the angels sing は 知覚動詞 (hear) + 目的語 (the angels) + 動詞の原形 (sing) の形で、「天使が歌うのを聞く」という意味です。
  • A new King born today: 正しくは A new King is born today ですが、be動詞が省略されています。これも歌や詩でよく見られる簡略化です。
  • man will live forevermore: man はここでは「人類」「人々」という集合的な意味で使われています。will live は未来を表し、永遠の救済を表現しています。
  • Because of Christmas day: because of は「〜のおかげで」「〜が原因で」という意味で、後に名詞句(Christmas day)を続けます。
  • Them see a bright new shining star: 正しい文法は They saw です。Them を主語として使い、動詞を過去形ではなく現在形の see を使うのは、カリブ海英語特有の非標準的な表現です。
  • The music seemed to come from afar: seem to do は「〜するように見える」という意味です。from afar は「遠くから」という意味です。
  • Then find no place to borne she child: 正しい文法は They found no place to bear her child です。find(過去形はfound)、borne(bearの過去分詞)、she(主格)を所有格または目的格(her)の代わりに使うなど、複数の非標準的な用法が見られます。
  • Not a single room was in sight: Not a single... は「一つも〜ない」という強い否定を表します。in sight は「視界に入って」「見えて」という意味です。