The Killers - Mr. Brightside (Official Music Video)


楽曲の解説

"Mr. Brightside" は The Killers のデビューアルバム Hot Fuss(2004年)に収録された楽曲で、バンドを象徴する名曲です。ここでは、2009年のライブアルバム Live from the Royal Albert Hall に収録されたバージョンを紹介します。

この曲は、ボーカルのブランダン・フラワーズが実際に体験した恋愛における嫉妬や不安を描いています。切なくも力強いメロディとエモーショナルな歌詞が特徴で、ライブでは観客と一体感を生み出す名パフォーマンスとしても知られています。リリース以来、普遍的なテーマと高い完成度から多くのファンに愛され続けています。

歌詞と和訳

[Verse 1]

Comin' out of my cage and I've been doin' just fine
Gotta, gotta be down because I want it all
It started out with a kiss, how did it end up like this?
It was only a kiss, it was only a kiss

檻から抜け出したみたいに自由になった俺は、元気にやってたんだ
だけど、全部を手に入れたいって気持ちが抑えられない
キスから始まったのに、どうしてこんなことになっちまったんだ?
ただのキスだった、それだけのはずだったのに




Now I'm falling asleep and she's calling a cab
While he's having a smoke and she's taking a drag
Now they're goin' to bed and my stomach is sick
And it's all in my head, but she's touching his

俺が眠りにつこうとする頃、彼女はタクシーを呼んでる
あいつがタバコを吸い、彼女もそれを一服してる間に
今度はベッドに向かう二人に、俺の胃がキリキリ痛む
全部俺の頭の中の妄想かもしれないけど、彼女があいつに触れてる

[Pre-Chorus]

Chest now
He takes off her dress now
Let me go
And I just can't look, it's killing me
They're taking control

胸に触れて
あいつが彼女のドレスを脱がせてる
もう俺を解放してくれ
でも目を背けられない、それが俺を追い詰めていく
あいつらが全てを支配していく

[Chorus]

Jealousy
Turning saints into the sea
Swimming through sick lullabies
Choking on your alibi
But it's just the price I pay
Destiny is calling me
Open up my eager eyes
'Cause I'm Mr. Brightside

嫉妬が
清らかなものを海の中へと沈めていく
不快な子守唄に溺れながら
君の言い訳に息が詰まりそうだ
だけど、これが俺が払うべき代償なんだ
運命が俺を呼んでる
抑えきれない俺の視線を開いて
俺は "ミスター・ブライトサイド" なんだから

[Verse 2]

I'm comin' out of my cage and I've been doin' just fine
Gotta, gotta be down because I want it all
It started out with a kiss, how did it end up like this?
(It was only a kiss) It was only a kiss

檻から抜け出したみたいに自由になった俺は、元気にやってたんだ
だけど、全部を手に入れたいって気持ちが抑えられない
キスから始まったのに、どうしてこんなことになっちまったんだ?
ただのキスだった、それだけのはずだったのに

[Pre-Chorus]

Chest now
He takes off her dress now
Let me go
And I just can't look, it's killing me
They're taking control

胸に触れて
あいつが彼女のドレスを脱がせてる
もう俺を解放してくれ
でも目を背けられない、それが俺を追い詰めていく
あいつらが全てを支配していく

[Chorus]

Jealousy
Turning saints into the sea
Swimming through sick lullabies
Choking on your alibi
But it's just the price I pay
Destiny is calling me
Open up my eager eyes
'Cause I'm Mr. Brightside

嫉妬が
清らかなものを海の中へと沈めていく
不快な子守唄に溺れながら
君の言い訳に息が詰まりそうだ
だけど、これが俺が払うべき代償なんだ
運命が俺を呼んでる
抑えきれない俺の視線を開いて
俺は "ミスター・ブライトサイド" なんだから

[Outro]

I never
I never
I never
I never

俺は、絶対に
絶対に
絶対に
絶対に



The Killers - Mr Brightside (Glastonbury 2019)


歌詞中の英単語と文法の解説

1. Cage

意味: 「檻」「ケージ」。動物や人を閉じ込めるための囲いのことです。歌詞では、主人公が「檻から出る」という表現で、自分が自由になったことを示しています。

例文: The bird is in the cage. (その鳥は檻の中にいます。)

文法ポイント: 「cage」は名詞で、歌詞では「out of my cage」と使われています。この表現は「檻から出る」という意味で、自由になるという感情を強調しています。

2. Gotta

意味: 「got to」の短縮形で、「しなければならない」「しなければいけない」という意味です。口語的な表現で、カジュアルに使われます。

例文: I gotta go to work. (仕事に行かなきゃ。)

文法ポイント: 「gotta」は「have to」のカジュアルな形です。歌詞では「I gotta be down because I want it all」と使われ、全てを手に入れるために自分を押さえ込まなければならないという意味です。

3. Drag

意味: 「引っ張る」「引きずる」。特にタバコを吸う時に、「ドラッグする」という表現が使われることがあります。

例文: He took a drag of his cigarette. (彼はタバコを一服吸った。)

文法ポイント: 歌詞では「she’s taking a drag」と使われ、タバコを吸っている動作を表しています。ここでは「take a drag」というフレーズが使われ、吸うという意味になります。

4. Stomach

意味: 「胃」「腹部」。人間の体の一部で、食べ物を消化する器官です。

例文: My stomach hurts. (お腹が痛い。)

文法ポイント: 歌詞では「my stomach is sick」と使われ、主人公が不安や嫉妬で気分が悪いことを表現しています。「sick」はここでは「気分が悪い」という意味です。

5. Let me go

意味: 「私を行かせて」「自由にさせて」という意味です。何かをやめさせてほしい、または自由にしてほしいときに使います。

例文: Please let me go home. (家に帰らせてください。)

文法ポイント: 「let」は「許可する」という意味の動詞です。「me」は目的語、「go」は動詞で、「let me go」とは「私を行かせて」という意味になります。

6. Control

意味: 「支配する」「コントロールする」。物事や状況を操ることを意味します。

例文: She tries to control the situation. (彼女は状況をコントロールしようとしている。)

文法ポイント: 歌詞では「They’re taking control」と使われています。これは「彼らが支配し始めている」という意味で、「take control」は「支配する」「コントロールする」というフレーズです。

7. Jealousy

意味: 「嫉妬」。他の人が持っているものや経験していることに対する不満や羨望です。

例文: He felt jealousy when she talked to him. (彼は彼女が彼と話しているのを見て嫉妬を感じた。)

文法ポイント: 「jealousy」は名詞で、歌詞では「Jealousy turning saints into the sea」という形で使われています。ここで「jealousy」は、聖人たちさえも誘惑し、堕落させるほど強力な感情として表現されています。

8. Alibi

意味: 「アリバイ」。犯罪などの時に自分が犯行を行っていないことを証明する証拠です。

例文: He had a strong alibi. (彼にはしっかりとしたアリバイがあった。)

文法ポイント: 歌詞では「choking on your alibi」と使われています。ここでは「alibi」が「言い訳」や「嘘」として使われており、その嘘が息を詰まらせるほど苦しめているという意味です。

9. Turning

意味: 「turn」の現在進行形で、「変える」「向きを変える」という意味です。

例文: The leaves are turning red. (葉が赤く変わりつつある。)

文法ポイント: 歌詞では「Turning saints into the sea」と使われています。「saints」を「sea」に変えていくという表現で、嫉妬の力が聖人をも堕落させるという強い影響を表しています。

10. Open up

意味: 「開ける」「心を開く」。文字通りの意味もありますが、感情や思考を開示する場合にも使います。

例文: She opened up to me about her feelings. (彼女は自分の気持ちを私に打ち明けた。)

文法ポイント: 歌詞では「Open up my eager eyes」と使われており、「eyes」を開くことで、主人公が現実を受け入れようとしているという意味です。「eager」は「熱心な」「待ちきれない」という意味です。

曲の情報

  • 初録音: 2002年のデモ音源において、The Killersが初めて録音した楽曲。
  • 作曲・作詞: ギタリストのデイブ・キューニングが作曲、ボーカルのブランダン・フラワーズが歌詞を執筆。
  • リリース: 2004年に再録音され、シングルとしてリリース。
  • テーマ: 明るい曲調とは裏腹に、不貞行為、妄想、嫉妬といったテーマを扱う。これは、ブランダン・フラワーズが恋人に浮気された際の心の痛みが元となっている。
  • 売上: アメリカでは200万枚以上の売上でダブルプラチナ、イギリスでは約100万枚の売上でトリプルプラチナを達成。
  • 記録: イギリスのトップ100チャートに200週以上ランクインしており、これは他のどの曲よりも長い記録。
  • 受賞歴: 『Best New Artist in a Video』、『Best International Video』などを受賞し、2000年代を代表する楽曲の1つと称される。

曲の特徴

  • リリースから20年経った現在も、特にイギリスで根強い人気を誇り、UKシングルチャートにおいて累計400週以上トップ100にランクインするという記録を持つ。
  • キャッチーなメロディと感情的な歌詞が特徴で、ライブでは観客と一体となって大合唱が起こる定番曲となっている。
  • フロントマンのブランダン・フラワーズが、恋人の浮気を目撃した自身の経験からインスピレーションを得て作られた楽曲である。