Take Me Away (Remastered)

Take Me Away / Oasis - テイク・ミー・アウェイ / オアシス (1994年) の歌詞日本語訳です。

楽曲の解説

「Take Me Away」は、Oasisのデビューシングル「Supersonic」のB面として1994年にリリースされました。また、『Definitely Maybe (Deluxe Remastered Edition)』にも収録されています。

曲は、アコースティックなサウンドと、メランコリックでありながらも楽観的なトーンが特徴です。語り手は、現実からの逃避願望と、より良い場所への憧れを歌っています。

テーマは、現実の困難(Just when it falls apart)から一時的に「連れ去ってほしい」(Take me away)という切実な願いです。語り手は、「私と私の魂はどこへ向かうか知っている」と、未来への確信と、自由でクリーンな環境への希望を表明します。

また、コーラスの後半で、「君になろうと思えばなれるが、時間がない」「君もすぐ俺になれるだろうが、"ライン"が必要だ」と、アイデンティティの交換成功に関する皮肉めいた言及があります。ここで登場する「ライン(line)」は、成功のための「道筋」や「コネ」、または当時のロックシーンで用いられた薬物(コカインなど)の「一線」という二重の意味が込められていると解釈されます。

初期のオアシスの持つ虚栄と本音が垣間見えます。

語り手である「俺」は、物事が崩壊しそうになった時や、何かを始めるべき時に、もう一日、ここに座っているつもりか?と問いかけます。そして、「俺たちが別の日のために遠ざけている、全ての何か」になる時が来たらどうするのか、と考えます。

なぜなら、「俺と俺の魂は、どこへ行くべきか知っている」。それは、草が自由で、空気が清浄で、良い時が育っている場所だ、という理想郷を信じています。

だから、「俺を連れ去ってくれ、今日だけでいいから」と懇願します。なぜなら、「俺はここで一人で悲しい」からだと。「海の底にいたい」と逃避を望みますが、「電話が必要になりそうだ」と現実的な皮肉を添えます。

俺は君になろうと思えばなれたが、その機会(時間)がなかった。そして、君も俺になれるだろうし、すぐそうなるだろう。だが、「君には"ライン"が必要になる」と忠告し、成功への代償や依存を暗示して曲を終えます。



歌詞と和訳

[Verse 1]

Just when it falls apart
And when it's time to start
Will you sit down here for another day?
And when it's time to be
All the things that we
Are wishing away for another day

ちょうど物事が崩壊しそうになった時
そして、何かを始めるべき時が来たら
君はもう一日、ここに座っているつもりかい?
そして、俺たちが別の日のために
遠ざけている、全ての何か
それになる時が来たらどうする?

[Pre-Chorus]

'Cause me and my soul, we know where we're going
We're going where the grass is free
And the air is clean and the good times are growing

なぜなら俺と俺の魂は、どこへ向かうべきか知っているからだ
俺たちは、草が自由で
空気が清浄で、良い時が育っている場所へ行く

[Chorus]

So take me away, just for today
'Cause I'm sad here on my own
I'd like to be under the sea
But I'd probably need a phone

だから、俺を連れ去ってくれ、今日だけでいいから
だって俺はここで一人で悲しいから
海の底にいたいんだ
でも、たぶん電話が必要になるだろう

[Verse 2]

And just when it falls apart
Just when it's time to start
Will you sit down here for another day?

そして、ちょうど物事が崩壊しそうになった時
ちょうど、何かを始めるべき時が来たら
君はもう一日、ここに座っているつもりかい?

[Pre-Chorus]

'Cause me and my soul, we know where we're going
We're going where the grass is free
And the air is clean and the good times are growing

なぜなら俺と俺の魂は、どこへ向かうべきか知っているからだ
俺たちは、草が自由で
空気が清浄で、良い時が育っている場所へ行く

[Chorus]

So take me away, just for today
'Cause I'm sad here on my own
I'd like to be under the sea
But I'd probably need a phone
I could be you if I wanted to
But I've never got the time
You could be me and pretty soon you will be
But you're gonna need a line

だから、俺を連れ去ってくれ、今日だけでいいから
だって俺はここで一人で悲しいから
海の底にいたいんだ
でも、たぶん電話が必要になるだろう
俺は君になろうと思えばなれた
でも、一度もその時間がなかった
君は俺になれるだろうし、もうすぐそうなるだろう
だが、君には"ライン"が必要になる

[Post-Chorus]

Need a line
Need a line
Need a line

ラインが必要だ
ラインが必要だ
ラインが必要だ

[Instrumental Outro]

英単語と英文法の解説

英単語の解説

1. Falls apart

意味: 「崩壊する」「バラバラになる」
fall(落ちる)とapart(離れて)が組み合わさったフレーズです。文字通り物理的に壊れることにも使えますが、ここでは計画や人間関係、精神状態がダメになるという比喩的な意味で使われています。
例文: Their business started to fall apart after the founder left. (創業者が去った後、彼らの事業は崩壊し始めた。)

2. Start

意味: 「始める」「開始する」
物事の始まりを意味する基本的な動詞、または名詞です。歌詞の it's time to start は「何かを始めるべき時だ」という意味です。

3. Wishing away

意味: 「(願うことで)遠ざける」「(望まないことを)解消する」
wish(願う)とaway(遠くへ)が組み合わさっています。ここでは、「(面倒なことややるべきことを)別の日に延ばしたいと願っている」という先延ばしの願望を表すニュアンスで使われています。

4. Soul

意味: 「魂」「精神」
体の中にあると考えられている精神や心の部分です。me and my soul は「私と私の魂」という意味で、自分自身の最も深い部分、本心を表現しています。

5. Grass is free

意味: 「草が自由である」
直訳では意味が分かりにくいですが、「自由で制約のない場所」という理想郷のメタファー(比喩)です。ここでいうfreeは「自由な」という意味です。

6. Clean

意味: 「きれいな」「清浄な」
汚れていない、衛生的であるという意味の基本的な形容詞です。歌詞では the air is clean で「空気が清浄である」と、理想的な環境の一部を描写しています。

7. On my own

意味: 「一人で」「自力で」
by myself とほぼ同じ意味ですが、on my own独立性や孤独を強調します。ここでは I'm sad here on my own で「ここで一人でいて悲しい」と、孤独感を表しています。

8. Under the sea

意味: 「海の下(海底)で」
under(〜の下に)という前置詞を使ったフレーズで、海中や深海を意味します。これは、現実から完全に切り離された場所へ逃げたいという強い逃避願望を表現しています。

9. Pretty soon

意味: 「まもなく」「近いうちに」
pretty はここでは「とても」という意味で、soon(すぐに)を強調する副詞として使われています。very soon と同じように使われる口語表現です。

10. Need a line

意味: 「ラインが必要」
この「ライン」は二重の意味があり、一つは成功への「道筋」や「ツテ」、もう一つは薬物(コカインなど)の「一回分」というスラングです。文脈に応じて成功に必要な代償依存を暗示しています。

英文法の解説

1. Just when it falls apart (時を表す副詞節)

文法: Just when S V
when は「〜するとき」という意味の接続詞で、を表す節(副詞節)を作ります。Just(ちょうど)が付くことで、「ちょうど〜するときに」とタイミングを強調しています。

2. Will you sit down here for another day? (未来の疑問文)

文法: Will you + 動詞の原形?
Will未来を表す助動詞ですが、ここでは「〜するつもりですか?」という相手の意志を問う疑問文です。another day(もう一日)という表現が、先延ばしにする意志を問いかけています。

3. All the things that we are wishing away (関係代名詞 that)

文法: things that S V
that は、ここでは関係代名詞として、直前の名詞 things(物事)を修飾しています。things that we are wishing away で「私たちが遠ざけたいと願っている全ての物事」という意味になります。

4. we know where we're going (間接疑問文)

文法: know + 疑問詞(where)+ S + V
where we're going は「私たちがどこへ向かっているのか」という意味の名詞節で、動詞 know目的語になっています。疑問文の語順(V S)ではなく、平叙文の語順(S V)になるのが特徴です。

5. We're going where the grass is free (関係副詞 where)

文法: V + where S V
この where関係副詞で、直前の場所を指す言葉(ここでは going の先、つまり目的地)を説明しています。where the grass is free で「草が自由な(場所)へ」と、目的地の様子を説明しています。

6. So take me away, just for today (命令形とfor)

文法: So + 動詞の原形(命令形)
Take me away動詞の原形から始まる命令文で、「私を連れ去ってくれ」という強い要求を表します。for today は「今日だけ」という期間を限定する前置詞句です。

7. I'd like to be under the sea (I'd like to:丁寧な願望)

文法: I'd like to + 動詞の原形
I'd like to は **I would like to** の短縮形で、「〜したい」という丁寧な願望を表す表現です。want to よりも控えめで上品な言い方になります。

8. But I'd probably need a phone (助動詞 wouldと副詞 probably)

文法: S + would + probably + V
I'd はここでも I would の短縮形です。would仮定や控えめな推量を示し、probably(おそらく、たぶん)という副詞が加わることで、「たぶん〜が必要になるだろう(が、実際にはそうしない)」という現実的な推量や皮肉を表現しています。

9. I could be you if I wanted to (仮定法過去)

文法: If S V(過去形), S' would/could/might V(原形)
I could be you if I wanted to は「もし私がそうしたければ、君になれたのに」という意味の仮定法過去の形に近いです。現在の事実とは異なる仮定や可能性を表し、実現しなかったことを述べています。

10. you're gonna need a line (be going to の短縮形)

文法: you're gonna + 動詞の原形
gonnagoing to口語的な短縮形で、「〜するつもりだ/〜になるだろう」という未来の予定や推量を表します。You're gonna need... で「君は〜が必要になるだろう」という強い予測を伝えています。

Definitely Maybe (Deluxe Remastered Edition)収録曲

  1. Rock 'n' Roll Star
  2. Shakermaker
  3. Live Forever
  4. Up in the Sky
  5. Columbia
  6. Supersonic
  7. Bring It On Down
  8. Cigarettes & Alcohol
  9. Digsy's Dinner
  10. Slide Away
  11. Married with Children
  12. Columbia (White Label Demo)
  13. Cigarettes & Alcohol (Demo)
  14. Sad Song
  15. I Will Believe (Live)
  16. Take Me Away
  17. Alive (Demo)
  18. D’Yer Wanna Be A Spaceman?
  19. Supersonic (Live)
  20. Up In The Sky (Acoustic)
  21. Cloudburst
  22. Fade Away
  23. Listen Up
  24. I Am The Walrus (Live)
  25. Whatever
  26. (It's Good) To Be Free
  27. Half the World Away
  28. Supersonic (Live At Glasgow Tramshed)
  29. Rock 'N' Roll Star (Demo)
  30. Shakermaker (Live Paris In-Store)
  31. Columbia (Eden Studios Mix)
  32. Cloudburst (Demo)
  33. Strange Thing (Demo)
  34. Live Forever (Live Paris In-Store)
  35. Cigarettes & Alcohol (Live At Manchester Academy)
  36. D'Yer Wanna Be A Spaceman? (Live At Manchester Academy)
  37. Fade Away (Demo)
  38. Take Me Away (Live At Manchester Academy)
  39. Sad Song (Live At Manchester Academy)
  40. Half The World Away (Live, Tokyo Hotel Room)
  41. Digsy's Dinner (Live Paris In-Store)
  42. Married With Children (Demo)
  43. Up In The Sky (Live Paris In-Store)
  44. Whatever (Strings)
  45. Shakermaker (Slide Up Mix)
  46. Bring It On Down (Monnow Valley)