To Be Where There's Life

To Be Where There’s Life / Oasis - トゥ・ビー・ホウェア・ゼアズ・ライフ / オアシス (2008年) の歌詞日本語訳です。

楽曲の解説

"To Be Where There’s Life" は、イギリスのロックバンド Oasis が2008年にリリースした最後のスタジオアルバム Dig Out Your Soul に収録された楽曲です。この曲は、リアム・ギャラガーによって書かれました。タイトルの直訳は「生命がある場所へ行くこと」です。

曲のテーマは、現実からの脱出と、真の自由な場所への探求です。混沌とした社会の状況(看守が這い、隣人が壁を飛び越える)から離れ、「一線を越えた先」にある、純粋な生命と自己解放が待つ場所へと向かおうという、強い衝動と決意が描かれています。

サビの「Fears don't try me, tears don't cry me」は、不安や悲しみが存在しない、精神的に解放された状態を象徴しており、聞く者に対して、内なる魂を呼び覚まし(Dig out your soul)、共に新しい場所へ踏み出そうと呼びかける、希望に満ちたアンセムのような側面を持っています。

この曲の語り手である「俺」は、「お前」(恋人や大切な人)を、この抑圧された世界から連れ出し、愛と生命が満ちた場所へ導くと強く語りかけています。彼は、新しい人生への道を示す先導者であり、二人の未来は、既存の常識を超えた場所にあると信じています。



歌詞と和訳

[Verse 1]

Days, turning to night
Pray for a light
Let me come through, let me take you
Way over the line

昼間が、夜へと変わっていく
(俺は)光を求めて祈る
俺を通し、お前を連れていかせてくれ
はるか一線を越えた先へ

[Verse 2]

Everyone fallin', everyone fallin'
Jailers come crawling, neighbours jump walling
Let me come through, let me take you
Way over the line, over the line
Over the line, over the line

誰もが倒れていく、誰もが倒れていく
看守どもは這いずり回り、隣人たちは壁を飛び越える
俺を通し、お前を連れていかせてくれ
はるか一線を越えた先へ、一線を越えて
一線を越えて、一線を越えて

[Verse 3]

And we'll wake to be where there's life
Shake the will to comply
Fears don't try me, tears don't cry me
And we'll wake to be where there's life

そうして俺たちは、生命がある場所で目覚めるだろう
(社会に)従おうとする意志を振り払うんだ
恐れは俺を試さず、涙は俺を泣かせない
そして俺たちは、生命がある場所で目覚めるだろう

[Verse 4]

When we come call out, everything's sold out
T.V. just closed down, there's nothing on the news now
Fears don't try me, tears don't cry me
And we'll wake to be where there's life, be where there's life
Be where there's life, be where there's life

俺たちが外に呼びかけに行くと、すべてが売り切れている
テレビはちょうど放送を終え、今ニュースには何もない
恐れは俺を試さず、涙は俺を泣かせない
そうして俺たちは、生命がある場所で目覚めるだろう、生命がある場所で
生命がある場所で、生命がある場所で

[Verse 5]

Dig out your soul, 'cause here we go
We gotta move, it's what we do
Let me come through, let me take you
And we'll wake to be where there's life, be where there's life
Be where there's life

お前の魂を掘り起こせ、さあ行くぞ
俺たちは動かなきゃならない、それが俺たちのやることだ
俺を通し、お前を連れていかせてくれ
そして俺たちは、生命がある場所で目覚めるだろう、生命がある場所で
生命がある場所で

[Outro]

Take you over the light, under the signs
In through locked doors to secret floors
Where we've all stood before

お前を光を越えた先へ、看板の下へ連れて行く
鍵のかかったドアを通り抜け、秘密のフロアへ
俺たちが以前にも立っていた場所へ

英単語と英文法の解説

初心者の方にも分かりやすいように、優しく詳しく解説をします。

英単語の解説

1. Pray

意味: 「祈る」「懇願する」
神や何らかの力に対して、望みや願いを伝える行為です。歌詞では「Pray for a light」(光を求めて祈る)と使われ、希望や救いを求める切実な気持ちを表しています。
例文: I always pray for my family's health. (私はいつも家族の健康を祈っています。)

2. Come through

意味: 「通り抜ける」「成功する」「(障害を)乗り越える」
come(来る)と through(〜を通り抜けて)が組み合わさった句動詞です。ここでは「俺が(障害を乗り越えて)通ることを許してくれ」というニュアンスで、話者が導き手となる許可を求めています。
例文: The doctor said he would come through the surgery fine. (医者は彼が手術を無事に乗り越えるだろうと言った。)

3. Way over the line

意味: 「はるか一線を越えた先に」「常識をはるかに超えて」
over the line(一線を超える)を Way(はるかに)で強調しています。日常や常識の限界を超えた、自由な場所への強い憧れと決意を示しています。
例文: We decided to drive way over the line to find a new beach. (私たちは新しいビーチを見つけるために、はるか遠くまで車を走らせることにした。)

4. Fallin' (Falling)

意味: 「倒れている」「崩壊している」
動詞 fall(倒れる、落ちる)の進行形 falling を短縮した形です。ここでは「Everyone fallin'」として、社会や秩序が混乱し、崩壊しつつある状況を表しています。
例文: The leaves are falling from the trees. (葉っぱが木から落ちています。)

5. Jailers

意味: 「看守」「刑務官」
Jail(刑務所、牢獄)に -er(〜する人)がついた単語で、人々を閉じ込め、監視する者を意味します。歌詞では、社会的な抑圧や権力の比喩として使われています。
例文: The jailers kept a close watch on the prisoners. (看守たちは囚人たちを注意深く監視していた。)

6. Comply

意味: 「従う」「応じる」
will to comply で「従おうとする意思」という意味になります。Shake the will to comply は、「社会のルールや慣習に盲目的に従うことをやめる」という、強い反抗と解放のメッセージです。
例文: You must comply with the school's rules. (あなたは学校の規則に従わなければなりません。)

7. Sold out

意味: 「売り切れ」「満員」「(比喩的に)魂を売り渡した」
ここでは「everything's sold out」で、市場や社会が物質的に飽和し、精神的な豊かさが欠けている状況、あるいは希望やチャンスが残されていない状況を指していると考えられます。
例文: The concert tickets were sold out in an hour. (コンサートのチケットは一時間で完売した。)

8. News now

意味: 「現在のニュース」「今報じられていること」
Verse 4 の「there's nothing on the news now」は、テレビや情報が機能を停止した状態、あるいは真実や重要な情報が失われた状態を示唆し、社会の崩壊を強調しています。

9. Dig out

意味: 「掘り出す」「見つけ出す」「発掘する」
Dig out your soul で「あなたの魂を掘り起こせ」という意味になります。埋もれている本質や、内なる情熱、真の自己を呼び覚ますという、この曲の最も重要なメッセージです。

10. Locked doors

意味: 「鍵のかかったドア」「閉ざされた入り口」
物理的な扉だけでなく、秘密、障害、あるいは通常は入ることが許されない場所を象徴しています。それを通り抜けることは、既成の秩序を破る行為を意味します。

英文法の解説

1. Days, turning to night (分詞構文 - 付帯状況)

文法: 名詞 + Ving
本来は Days are turning to night ですが、ここではコンマで区切り「Days, turning to night」として、「日々が夜へと変わっていく」という状況を付け加えて説明しています。時間の流れと変化を詩的に表現しています。
例文: He sat at the table, reading a book. (彼はテーブルに座って、本を読んでいた。)

2. Let me come through, let me take you (使役動詞 Let)

文法: Let + O + 動詞の原形
Let は「Oに〜させることを許す」という意味を持つ使役動詞です。ここでは、話者が自分が行動を起こす許可を相手に求めています。let me come through(私を通らせて)、let me take you(あなたを連れていかせて)と強い意思を示しています。
例文: My mother always let me stay up late on weekends. (私の母はいつも週末に夜更かしさせてくれた。)

3. Everyone fallin' (主語と動詞の省略)

文法: Everyone + Ving
fallin' は falling の短縮形で、Everyone is falling の is が省略されています。歌詞では、リズムや勢いを重視して、このように主語の後のbe動詞を省略することがよくあります。
例文: The children running on the grass look happy. (芝生を走っている子供たちは幸せそうだ。)

4. And we'll wake to be where there's life (不定詞の副詞的用法 - 結果)

文法: wake to be...
to be where there's life は不定詞で、動詞 wake(目覚める)の結果を表します。「目覚めた結果、生命がある場所にいるだろう」という意味になり、変化や到着を強調しています。
例文: He studied hard only to fail the exam. (彼は一生懸命勉強したが、その結果、試験に落ちた。)

5. Shake the will to comply (不定詞の形容詞的用法)

文法: 名詞 (the will) + to 不定詞
to comply は不定詞で、直前の名詞 the will(意思)を修飾し、「従うための意思」という意味になります。「〜するための」という意味で名詞を説明する用法です。
例文: I have the power to change the rules. (私にはルールを変える力がある。)

6. Fears don't try me (助動詞 do の否定形)

文法: S + don't + V
Fears(恐れ)という名詞が主語で、don't(do not)を使って否定しています。「恐れが俺を試さない」つまり「俺は恐れに邪魔されない」という、強い精神的な解放を表しています。
例文: They don't understand the difficulty of the task. (彼らはそのタスクの難しさを理解していない。)

7. Everything's sold out (現在完了の受動態)

文法: Everything is/has + 過去分詞
Everything's sold out は、Everything is sold out の短縮形、または Everything has sold out の短縮形と考えられます。is sold out(受動態)は「売り切られた状態だ」という意味で、その状態が今も続いていることを示します。
例文: The door is locked. (そのドアは鍵がかかっている状態だ。)

8. 'cause here we go (接続詞 'cause)

文法: 'cause + 文
'cause は because の短縮形で、「なぜなら〜だから」という意味で理由を説明します。歌詞では、より口語的でカジュアルな響きを出すために使われます。
例文: I can't go 'cause I'm busy. (忙しいから行けない。)

9. Where we've all stood before (関係副詞 Where)

文法: Where + S + V (完全な文)
Where は関係副詞で、直前の場所(secret floors)を修飾し、「私たちが以前に立っていた場所」と説明しています。where の後には主語と動詞が揃った完全な文が続きます。
例文: This is the restaurant where we first met. (ここが私たちが初めて会ったレストランです。)

10. We gotta move (口語表現 Gotta)

文法: Gotta + 動詞の原形
Gotta は have got to の短縮形で、「〜しなければならない」という意味の強い義務や必要性を示します。We gotta move は「俺たちは動かなければならない」という切迫した状況を表します。
例文: I gotta go to the bank before it closes. (閉まる前に銀行に行かなければならない。)

アルバム収録曲の和訳(『Dig Out Your Soul』)

  1. Bag It Up
  2. The Turning
  3. Waiting for the Rapture
  4. The Shock of the Lightning
  5. I'm Outta Time
  6. (Get Off Your) High Horse Lady
  7. Falling Down
  8. To Be Where There's Life
  9. Ain't Got Nothin'
  10. The Nature of Reality
  11. Soldier On