Waiting For The Rapture

Waiting For The Rapture / Oasis - ウェイティング・フォー・ザ・ラプチャー / オアシス (2008年) の歌詞日本語訳です。

楽曲の解説

"Waiting For The Rapture" は Oasis のアルバム Dig Out Your Soul (2008年) に収録されています。この曲は、ノエル・ギャラガーが将来の妻となるサラ・マクドナルドに出会った時のことを歌った、ファンにも人気の高い楽曲です。

本楽曲はノエルが作詞・作曲とリード・ボーカルを担当しており、ハードロックサイケデリックなグルーヴが融合したトラックです。

曲のタイトルとサビに繰り返される「Rapture」という言葉は、終末論的なテーマを暗示しつつも、歌詞全体としては、人生の停滞感と、それを打ち破ってくれるような特別な女性の登場による救済が描かれています。
主人公は「メリーゴーラウンド」から降りたいほど疲れ切った状態(I'm tired)にありますが、同時に「wired」状態でもあり、刺激と安らぎの両方を求めています。
その女性は彼にとって文字通り「天国から送られてきた」存在であり、世俗的な混乱から彼を救い出し、究極の歓喜へと導いてくれる「救世主」として描かれています。



歌詞と和訳

[Verse 1]

I still don't know what I was waiting for
A big love to fall down from the sky
She took my hand and picked me up off the floor
She put an apple in my eye

俺はまだ、何を待っていたのかさえ分からない
空から降ってくるような大きな愛を
彼女は俺の手を取り、床から引き起こしてくれた
彼女は俺の瞳に一粒のリンゴを置いてくれた

[Chorus]

I said I'm tired
Come get me off the merry-go-round
I'm wired
Come feed me and then bring me down

俺は疲れたと言った
このメリーゴーラウンドから俺を降ろしてくれ
俺は興奮状態だ
来て、俺を満たして、そして落ち着かせてくれ

[Verse 2]

She come up to me, I can't remember what she said
Because I was in a trance and I forgot it all
Banging on about all that, revolution in her head
She’d make a lover seem so magical

彼女は俺に近づいてきたが、何を言ったか覚えていない
なぜなら俺は我を忘れていて、全てを忘れてしまったから
頭の中の革命について、あれこれとまくし立てていたが
彼女は恋人をとても魔法のように感じさせるだろう

[Chorus]

She said I'm tired
Come get me off the merry-go-round
I'm wired
Well heaven must have sent you
To save me for the rapture, yeah

彼女は疲れたと言った
このメリーゴーラウンドから俺を降ろしてくれ
俺は興奮状態だ
ああ、きっと天国がお前を送ってきたんだ
この歓喜のために俺を救うために、ああ

[Interlude]

(Cha, cha, cha, cha)
(Woo)
(Cha, cha, cha, cha)
(Hey!)

(チャ、チャ、チャ、チャ)
(ウー)
(チャ、チャ、チャ、チャ)
(ヘイ!)

[Chorus]

I'm tired
Come get me off the merry-go-round
I'm wired
Come feed me and then bring me down

俺は疲れた
このメリーゴーラウンドから俺を降ろしてくれ
俺は興奮状態だ
来て、俺を満たして、そして落ち着かせてくれ

[Outro]

Well, you can take my soul off the ground, hey
Like a million more, don't hang me down

ああ、お前は俺の魂を地面から連れ去ることができるんだ、ヘイ
他の何百万もの人のように、俺をがっかりさせないでくれ

英単語と英文法の解説

英単語の解説

1. Still don't know

意味: 「まだ~を知らない」
still は「まだ」「今もなお」という意味で、ある状態や行動が現在も続いていることを表します。ここでは、主人公が何を求めていたのか、長期間にわたり分からずにいたことを強調しています。
例文: I still don't know how to solve this math problem. (私はまだこの数学の問題をどう解くか分からない。)

2. Picked me up off the floor

意味: 「床から私を引き起こした」「立ち直らせた」
pick up は「拾い上げる」「持ち上げる」という意味ですが、ここでは比喩的に、打ちひしがれて座り込んでいた主人公を「立ち直らせた」「元気づけた」という意味合いで使われています。
例文: When I was feeling sad, my friend picked me up off the floor. (私が悲しい気持ちでいたとき、友人が私を立ち直らせてくれた。)

3. Apple in my eye

意味: 「私の目のリンゴ」(比喩的な表現)
「the apple of one's eye」という慣用句(最も大切なもの、かけがえのない人)の変形と考えられます。ここでは、その女性が主人公にとって突然現れた特別で魅力的な存在であり、彼の視界を占め、驚きを与えたことを示唆しています。
例文: My niece is the apple in my eye. (私の姪は私にとってかけがえのない存在だ。)

4. Merry-go-round

意味: 「メリーゴーラウンド」「回転木馬」
遊園地の乗り物ですが、比喩的には「同じことの繰り返し」「抜け出せない単調な状況」を意味します。主人公は人生の堂々巡りに疲れている状態です。
例文: I feel like my job is just a constant merry-go-round of meetings. (私の仕事は会議の絶え間ないメリーゴーラウンドのようだ。)

5. Wired

意味: 「興奮した」「神経が過敏な」「緊張した」
(主に口語)カフェインや薬物、極度の疲労などで神経が高ぶっている状態を指します。疲れている(tired)のに興奮状態(wired)という矛盾が、主人公の複雑な心理状態を表しています。
例文: I drank too much coffee, and now I'm completely wired. (コーヒーを飲みすぎて、今すっかり神経が高ぶっている。)

6. Trance

意味: 「トランス状態」「夢中」「我を忘れた状態」
意識が朦朧としたり、深く集中して我を忘れたりした状態を指します。彼女の魅力や話に夢中になり、現実感覚を失っていた様子を表しています。
例文: She listened to the music in a deep trance. (彼女は深いトランス状態でその音楽を聴いた。)

7. Banging on about

意味: 「~についてしつこく話す」「~を繰り返し主張する」
(主に口語)退屈なことや、熱狂的なことを大声で、あるいはしつこく話し続ける様子を表します。ここでは、彼女が頭の中にある「革命」について熱烈に語っていたことを示しています。
例文: He was banging on about football all evening. (彼は一晩中フットボールについてしつこく話していた。)

8. Revolution

意味: 「革命」「大改革」
社会や政治の劇的な変化だけでなく、個人的な思想や生活における大きな変化を指します。ここでは、彼女の考えがもたらすであろう、主人公の人生を揺るがすほどの大きな変化を暗示しています。
例文: The new invention started an industrial revolution. (その新しい発明は産業革命を引き起こした。)

9. Magical

意味: 「魔法のような」「魅惑的な」
魔法に関する、または魔法のように魅力的で素晴らしい様子を表す形容詞です。彼女が、恋人という存在を主人公に非常に特別なものに感じさせたことを示しています。
例文: The old castle looked magical under the moonlight. (その古い城は月明かりの下で魔法のように見えた。)

10. Soul

意味: 「魂」「精神」「精神力」
体とは別の、人間の精神的な部分を指します。ここでは、疲弊した主人公の「精神」を、彼女が救い上げてくれるという期待が込められています。
例文: She puts her whole soul into her music. (彼女は全身全霊を音楽に注いでいる。)

英文法の解説

1. I still don't know what I was waiting for (間接疑問文と過去進行形)

文法: what + S + V (間接疑問文) + was waiting (過去進行形)
what I was waiting for は「私が何を待っていたのか」という意味の名詞節として、動詞 know の目的語になっています。was waiting は「(その時まで)ずっと待っていた」という過去の継続的な動作を示します。
例文: Tell me where you are going. (あなたがどこへ行くのか教えて。)

2. A big love to fall down from the sky (不定詞の形容詞的用法)

文法: 名詞 + to + 動詞の原形
to fall down from the sky (空から落ちてくるための) が A big love (大きな愛) を修飾し、「空から降ってくるような大きな愛」という意味になります。
例文: I have a lot of things to do today. (私には今日すべきことがたくさんある。)

3. She come up to me (過去形 come の口語的な使用)

文法: She come (動詞の原形)
正しい過去形は She came ですが、歌詞や口語では、過去形であるべき場所で動詞の原形(come)や単純な形が使われることがあります。これは詩的なリズムやカジュアルさを出すための手法です。
例文: Yesterday, I run to the store. (昨日、私は店へ走った。 ※runは口語的表現。cameが正しい。)

4. I can't remember what she said (間接疑問文)

文法: what + S + V (間接疑問文)
what she said (彼女が何を言ったか) が名詞節として remember の目的語になっています。平叙文の語順(S+V)になっています。
例文: I wonder who broke the window. (誰が窓を割ったのだろうか。)

5. Because I was in a trance and I forgot it all (理由を表す because)

文法: 接続詞 Because
「なぜなら~だから」という意味で、直前の内容の理由や原因を説明します。ここでは、彼女が言ったことを覚えていない理由を述べています。
例文: We stayed inside because it was raining. (雨が降っていたので、私たちは中にいた。)

6. She’d make a lover seem so magical (助動詞 would の短縮形と使役動詞 make)

文法: She’dShe would の短縮形 + make + O + 原形動詞
She would は仮定や習慣、推量を表します。make + O + 原形動詞 は使役動詞の構文で、「Oに~させる」という意味です。ここでは、「彼女は恋人をとても魔法のように感じさせるだろう」という彼女の能力を述べています。
例文: The cold weather made me feel sleepy. (寒い天候のせいで私は眠くなった。)

7. Heaven must have sent you (助動詞 must have 過去分詞)

文法: must have + 過去分詞
「~したに違いない」という過去の事柄に対する強い推量を表します。ここでは、「天国があなたを送ったに違いない」と、彼女の登場を運命的なものとして強く信じていることを示しています。
例文: He's not here; he must have left already. (彼はここにいない。もう行ってしまったに違いない。)

8. To save me for the rapture (不定詞の副詞的用法)

文法: To + 動詞の原形 (目的)
「~するために」という意味で、動作の目的を表します。ここでは、「私を歓喜のために救うという目的で」天国が彼女を送った、という意味です。
例文: I study hard to pass the exam. (私は試験に合格するために一生懸命勉強する。)

9. Well, you can take my soul off the ground (助動詞 can)

文法: 助動詞 can
「~できる」という能力や可能性を表します。ここでは「私の魂を地面から持ち上げることができる」という、彼女が持つ力に対する確信を示しています。
例文: We can finish this project by tomorrow. (私たちは明日までにこのプロジェクトを終わらせることができる。)

10. don't hang me down (否定の命令文)

文法: Don't + 動詞の原形
「~するな」という否定の命令文です。hang down には「失望させる」「がっかりさせる」という意味合いがあり、最後は彼女に対する切実な願いで締めくくられています。
例文: Don't touch that button. (そのボタンに触れるな。)

アルバム収録曲の和訳(『Dig Out Your Soul』)

  1. Bag It Up
  2. The Turning
  3. Waiting for the Rapture
  4. The Shock of the Lightning
  5. I'm Outta Time
  6. (Get Off Your) High Horse Lady
  7. Falling Down
  8. To Be Where There's Life
  9. Ain't Got Nothin'
  10. The Nature of Reality
  11. Soldier On