The Fratellis - Whistle For The Choir

Whistle for the Choir / The Fratellis (2006年) (ホイッスル・フォー・ザ・クワイア / ザ・フラテリス) の歌詞日本語訳です。

楽曲の解説

"Whistle for the Choir" は、スコットランド出身のロックバンド、The Fratellis のデビューアルバム『Costello Music』に収録された楽曲です。この曲は、夜のバーで出会った女性に恋焦がれる男性の切ない気持ちを、ユーモラスでどこか自虐的な視点で描いています。彼は孤独を抱え、アルコールに安らぎを求めているように見えますが、目の前の魅力的な女性に「一目惚れ」し、持ち前の言葉で強引にアプローチします。彼の酔っぱらった状態での大胆な言葉と、女性への素朴な憧れが、グルーヴ感のあるメロディに乗せて表現されており、聴く人を惹きつけます。




歌詞と和訳

[Verse 1]

Well it's a big, big city and it's always the same
Can never be too pretty, tell me your name
Is it out of line if I were simply bold and say "Would you be mine?"
Because I may be a beggar and you may be the queen
I know I may be on a downer, I'm still ready to dream
Though it's three o'clock, the time is just the time it takes for you to talk

ああ、ここはすごく大きな街で、いつだって変わり映えしない
これ以上美しくなれないなんてことはない、君の名前を教えてくれ
もし僕がただ大胆になって「僕のものになってくれないか?」と言うのは筋違いかな?
だって、僕は物乞いみたいかもしれないし、君は女王様みたいかもしれない
僕は落ち込んでいるかもしれないけど、まだ夢を見る準備はできているんだ
もう夜中の3時だけど、君が話してくれるのにかかる時間さえあればいい

[Chorus 1]

So if you're lonely, why'd you say you're not lonely?
Oh you're a silly girl, I know I heard it so
It's just like you to come and go
And know me, no, you don't even know me
You're so sweet to try, oh my, you caught my eye
A girl like you is just irresistible

だから、もし寂しいなら、どうして寂しくないって言うんだい?
ああ、君はかわいらしい子だ、僕はそう聞いたんだ
君がフラッと来てフラッと行くのは、いつものことなんだね
そして僕を知ってる? いや、君は僕のことなんて全く知らない
試してみるなんて、なんて可愛らしいんだ、ああ、君に目を奪われたよ
君みたいな女の子は、ただただ抗えない魅力がある

[Verse 2]

Well it's a big, big city and the lights are all out
But it's as much as I can do you know to figure you out
And I must confess, my heart's in broken pieces and my head's a mess
And it's four in the morning and I'm walking along
Beside the ghost of every drinker here who's ever done wrong
And it's you, woo-hoo, that's got me going crazy for the things you do

ああ、ここはすごく大きな街で、明かりは全て消えている
でも、君を理解しようとするのは、僕にできる精一杯のことなんだ
そして告白しなければならない、僕の心はバラバラで、頭の中はぐちゃぐちゃだ
もう朝の4時で、僕は歩いている
この場所で間違いを犯した飲んだくれの幽霊たちの隣を
そして君なんだ、ウー・フー、君のすることに僕は夢中になっておかしくなりそうだ

[Chorus 2]

So if you're crazy, I don't care, you amaze me
But you're a stupid girl, oh me, oh my, you talk
I die, you smile, you laugh, I cry
And only, a girl like you could be lonely
And it's a crying shame, if you would think the same
A boy like me is just irresistible

だから、もし君がクレイジーでも、僕は気にしない、君には驚かされるよ
でも君は愚かな女の子だ、ああ、なんてこった、君が話す
僕は死にそうになり、君は微笑み、君は笑い、僕は泣く
そして、君みたいな女の子だけが、孤独でいられるなんて
もし君が同じように考えているなら、それはとても残念なことだ
僕みたいな男には、ただただ抗えない魅力があるんだ

[Instrumental Bridge]

(間奏)

[Chorus 1]

So if you're lonely, why'd you say you're not lonely?
Oh you're a silly girl, I know I heard it so
It's just like you to come and go
And know me, no, you don't even know me
You're so sweet to try, oh my, you caught my eye
A girl like you is just irresistible

だから、もし寂しいなら、どうして寂しくないって言うんだい?
ああ、君はかわいらしい子だ、僕はそう聞いたんだ
君がフラッと来てフラッと行くのは、いつものことなんだね
そして僕を知ってる? いや、君は僕のことなんて全く知らない
試してみるなんて、なんて可愛らしいんだ、ああ、君に目を奪われたよ
君みたいな女の子は、ただただ抗えない魅力がある

英単語と英文法の解説

英単語の解説 (Word Explanations)

1. big, big city

意味: 「とても大きな街」「巨大な都市」。

解説: 単純に「big city(大きな街)」と言うよりも、同じ単語を繰り返すことで「本当に、ものすごく」大きいという強調の意味になります。話し手の街に対する圧倒された気持ちが伝わる表現です。

例文: It was a big, big city, and I felt completely lost at first. (本当に巨大な街だったので、最初は完全に迷子になった気分でした。)

2. out of line

意味: 「筋が通らない」「不適切だ」「無礼だ」。

解説: 直訳すると「列から外れている」という意味で、そこから転じて、社会のルールや常識から外れた言動を指します。歌詞では、「大胆になって誘うのはやりすぎだろうか?」というニュアンスで使われています。

例文: I thought his joke was a little out of line. (彼の冗談は少し不適切だと私は思いました。)

3. bold

意味: 「大胆な」「思い切った」「勇敢な」。

解説: 恥ずかしがらずに、自分の意見や行動をはっきりと示す様子を表します。「simply bold」で「ただ大胆に」という意味になり、自分を鼓舞しているようなニュアンスを感じ取れます。

例文: It was a bold move to ask her out after only meeting her once. (一度会っただけで彼女をデートに誘うのは、大胆な行動でした。)

4. beggar / queen

意味: beggar(物乞い、貧しい人) / queen(女王、最高の女性)。

解説: この二つの単語は、対比(コントラスト)として使われています。男性は自分を「物乞い」のように地位の低い存在、女性を「女王」のように手の届かない素晴らしい存在と表現することで、どれほど彼女に夢中になっているかを示しています。

例文: She treated everyone like a queen. (彼女は皆を女王様のように扱いました。)

5. on a downer

意味: 「落ち込んでいる」「憂鬱な気分だ」。

解説: スラング的な表現で、気分が沈んでいる状態を指します。動詞「be」と一緒に使われ、「I may be on a downer」で「私は落ち込んでいるかもしれない」となります。

例文: I was feeling on a downer after I failed the exam. (試験に落ちた後、私は落ち込んでいました。)

6. irresistible

意味: 「抵抗できない」「たまらなく魅力的だ」「抗しがたい」。

解説: その魅力が強すぎて、逆らうことができないほど素晴らしいという意味です。「ir-」(否定)+「resist」(抵抗する)+「-ible」(できる)で構成されています。歌詞の核となる単語の一つです。

例文: The smell of chocolate cake was irresistible. (チョコレートケーキの香りはたまらなく魅力的でした。)

7. figure you out

意味: 「(人を)理解する」「(問題を)解決する」。

解説: 特に「複雑な人や状況」について、時間をかけて考えたり観察したりして、その人の性質や仕組みを理解しようとすることを指します。ここでは、掴みどころのない女性を理解しようと奮闘している様子を表しています。

例文: I tried hard to figure out the new software. (私は新しいソフトウェアを理解しようと一生懸命に努めました。)

8. confess

意味: 「告白する」「認める」。

解説: 秘密にしていたことや、後ろめたさのある事実を打ち明けるときに使います。「I must confess(告白しなければならない)」という形で、自分の心の内を正直に話すことを示しています。

例文: I have to confess that I ate the last piece of pizza. (最後のピザを食べたことを告白しなければなりません。)

9. mess

意味: 「散らかった状態」「混乱」「めちゃくちゃな状態」。

解説: 物理的な散らかりだけでなく、精神的な混乱やひどい状態も指します。「my head's a mess」は「頭の中が混乱している」「考えがまとまらない」という意味です。

例文: My room is a complete mess right now. (私の部屋は今、完全に散らかっています。)

10. ghost

意味: 「幽霊」「亡霊」。

解説: 歌詞では「beside the ghost of every drinker here」と使われ、かつてこの場所で間違ったことをした酔っぱらいたちの「影」や「残像」のようなものとして、孤独な雰囲気を強調しています。

例文: Many people believe that the old castle is haunted by a ghost. (多くの人が、その古い城には幽霊が出ると信じています。)

11. crying shame

意味: 「ひどく残念なこと」「非常にもったいないこと」。

解説: 「泣くほどの恥ずかしさ」から転じて、非常に残念で嘆かわしい状況を表す慣用的な表現です。話し手の強い感情が込められています。

例文: It's a crying shame that they canceled the festival due to rain. (雨でフェスティバルが中止になったのは、とても残念なことです。)


英文法の解説 (Grammar Points)

1. Can never be too + 形容詞

意味: 「〜すぎるということは決してない」「いくら〜でも〜すぎることはない」。

解説: 「can never be too...」は「too(〜すぎる)」という否定的な意味を「never(決して〜ない)」で否定することで、結果的に「十分に〜である」という強い肯定の意味になる特殊な表現です。歌詞の「Can never be too pretty」は、「いくら美しくても美しすぎることはない = 君はどれだけ美しいんだろう」という意味になります。

例文: You can never be too careful when crossing the street. (道を渡るときは、いくら注意しても注意しすぎることはありません。=十分に注意してください。)

2. if I were... (仮定法過去)

意味: 「もし私が〜なら」。

解説: 過去の事実ではなく、現在の事実に反する仮定や、実現の可能性が低い願望を述べる際に使います。be動詞は主語がIでも三人称単数でも「were」を使うのが伝統的です(現代英語ではI/he/she/itにwasも使われます)。歌詞では、「If I were simply bold...」で「もし(今)私が大胆になるとしたら...」という、実現するかどうか分からない控えめな提案のニュアンスを出しています。

例文: If I were rich, I would travel around the world. (もし(今)私がお金持ちなら、世界中を旅するだろう。)

3. may be... I'm still ready to... (対比)

意味: 「〜かもしれないが、それでもまだ〜する準備ができている」。

解説: 「may be」(かもしれない)で自分のマイナスな状況を認めつつ、「I'm still ready to...」(それでもまだ〜する気がある)で、前向きな姿勢を対比させて強調する構文です。自分の弱さを見せながらも、目標(夢)を諦めないという強い意志を示しています。

例文: It may be difficult, but I'm still ready to try my best. (難しいかもしれないが、それでもまだ私は最善を尽くす準備ができています。)

4. the time it takes for...

意味: 「〜にかかる時間」。

解説: 「the time」の後に「it takes (for 人/物) to do...」という形で、ある行動に必要な時間を表現します。歌詞の「the time is just the time it takes for you to talk」は、「君が話すのにかかる時間だけが重要だ」という意味になります。

例文: I don't mind the time it takes for me to cook a nice dinner. (おいしい夕食を作るのにかかる時間は気にしません。)

5. why'd you...? (Why did youの短縮)

意味: 「なぜあなたは〜したの?」。

解説: これは「Why did you...」を短縮した話し言葉の表現です。「did」と「you」が繋がって「'd you」と発音され、「なぜ(過去に)〜したのか」と尋ねる際に使われます。カジュアルな会話でよく登場します。

例文: Why'd you leave so early? (なぜそんなに早く帰ったの?)

6. It's just like you to do...

意味: 「〜するのはいかにもあなたらしい」「〜するのはあなたのいつものやり方だ」。

解説: 「It's like 人 to do...」で「〜が〜するのは〜らしい」という意味ですが、「just」が入ることで「まさに」「いかにも」というニュアンスが加わります。歌詞では「It's just like you to come and go」で、女性が気まぐれで去っていく様子を「いかにも君らしい」と表現しています。

例文: It's just like him to forget his keys. (鍵を忘れるなんて、いかにも彼らしいね。)

7. even (否定文での強調)

意味: 「〜でさえ」「少しも〜ない」。

解説: 否定文(don't/didn'tなど)の中で「even」を使うと、その否定を強く強調する役割を果たします。歌詞の「you don't even know me」は、「あなたは私のことさえ知らない」「私のことなんて少しも知らない」という意味になり、男性の寂しさを際立たせています。

例文: I didn't even have time to eat lunch today. (今日は昼食を食べる時間さえありませんでした。)

8. as much as I can do to...

意味: 「〜するのが精一杯だ」「〜するのが限界だ」。

解説: 「as much as...(〜と同じくらい)」を使った表現で、「to do...」以下を行うことが、自分にできる「全て(精一杯)」であるという意味になります。歌詞では、目の前の女性を理解しようとすることが、彼にとっての限界であるという切実な気持ちを表しています。

例文: It's as much as I can do to keep my apartment clean. (アパートをきれいに保つのが精一杯です。)

9. have/has got me going crazy

意味: 「〜のせいで気が変になりそうだ」「〜に夢中になっている」。

解説: 「have/has got me (to be) doing...」は、「〜が私を〜の状態にさせている」という原因と結果を表す口語的な表現です。ここでは「going crazy(気が変になる/夢中になる)」という状態に「君」がさせている、つまり「君に夢中だ」という意味になります。

例文: Her beautiful singing voice has got me going crazy. (彼女の美しい歌声のせいで、私は夢中になっています。)

10. A girl like you is just... (名詞 + like + 名詞)

意味: 「あなたのような女の子は、ただ〜だ」。

解説: 「like」は「好き」という動詞だけでなく、「〜のような」という前置詞としても使われます。「A girl like you」で「あなたに似た(あなたという種類の)」女の子という意味になり、その種の人の持つ特徴を説明する際に使われます。

例文: A job like this requires patience. (このような仕事には忍耐が必要です。)